ハヤテのごとく! 第332話 「天才の戦略」

 
 
 
遅いけれど、地道に消化していこうと思います。
え? なんでこんなに焦ってるかって?
 
やだなぁ。
本来はサンデー発売日に更新するのが理想である物が大幅に遅れてるからに決まってるじゃないですか。
そう言えば、もうすぐランス・クエストが発売され――――ナンデモナイデスヨ?
 
 
 
 
 
本編より少し前。
千桜さんに状況説明を受けるナギ。
 
 
同人誌対決がそもそも急な話であるために残り約十日の段階でもナギの原稿は未完成のまま。
そこで使えるのは直前まで入稿可能な印刷所。
 
ギリギリのラインであるため値段もそれに見合っただけ要求される。
そもそもナギは自分の実力をはっきりと把握していないのに西沢さんの不用意な一言で1000部刷ると言っているのだから印刷費もバカにならない。
 
必要経費は搬入料込みで21万3460円。
仮に一冊300円で売っても700冊以上売らなければならない数字。

 
 
 
常識的に考えて不可能なのだが
 
「私の本は1000部売れる」
 
と断言するナギに迷いはなかった。
 
 
ナギがどうしてこんなにも自信満々なのか。
その答えは意外な形で提示される事となる。
 
 
「マリアのメイドさん@パラダイス」
 
 
ナギはマリアさんを架空のアイドルとして設定し、その日常を日記風に掲載すると同時にマリアさんが興味を持ったニュースまとめを行うサイトを開設していた。
そのアクセス数は数日で一気に53万に到達。
加えてジャンル別にアンテナサイト(1日あたり2万アクセス)を複数用意。
 
 
ナギの計算ではアクセスの伸び率からして数日中には全部で1日100万アクセスのネットワークが形成されるらしい。
そのうち10万人が興味を持ち、さらにその1%である1000人が購入すれば完売するというのがナギの見立てらしい。
 
 
 
「売れないものを売るのが営業だ!!」
 
 
と言い切るナギ。
少しでもクオリティを高めて売れる方向に持っていこうとする努力はしないのだろうか……。
そもそも売ろうとする側の人間が売れないと言い切ってるのも何だか微妙だなぁ。
 
 
 
一方のルカ。
ナギがオフセット1000部売る方向で動くと知って、自分も同じ事をしようとするがヒナギクさんがそれを制止。
 
「人の真似をしたり宣伝したりしても無意味」
 
と言うヒナギクさんはよく分かっていらっしゃる。
そんな彼女がルカに要求したのは次の二点。
 
 
1.ギリギリまで時間をかけて10ページのコピー誌を30部作る
2.「その本を手に取った全員が最後まで読めるまんが」を描く

 
 
1はまだしも2は難しい。
何故ならば人の感性は十人十色だから。
勿論、ヒナギクさんならその程度の事は理解出来ているはずで、その上であえて要求した、と見るべきだろう。
 
 
そしてヒナギクさんは「誰もが最後まで読める作品」のためにルカへ次々へアドバイスを繰り出す。
 
・台詞を短く簡潔に
・見やすい画面と状況がわかる背景にする
・誤解を生みそうな表現と回想シーンの削除
・曖昧な表現の排除
・不要な設定の削除と普遍的なテーマへの移行

 
 
ナギにもこれだけアドバイスしてくれる人がいれば良かったんだがなぁ……。
事実、それらに従ってルカが提示したのはちゃんと面白い、とハヤテが思える作品。
 
 
素直な子は伸びる、という事なんだろうね。
 
 
 
 
そもそもナギとルカでは覚悟とでも言うべきものに差が見える。
 
ナギは何だかんだで余裕がある。
まだ金はある。
それは自分が汗水たらしたお金ではない。
だから失敗の可能性など全く考えず21万もの金を出せる。
 
 
ルカは全てにおいて余裕がない。
だからこそ、いつもギリギリの状況で挑戦しており、それゆえに創作に対する情熱はナギよりも真摯なもの。
 
 
この部分が今後、両者の対峙の要因になりそうな気がする。
 
そんな感じで今後の動きにも目が離せないハヤテ。
今後の流れも要注目