ハヤテのごとく! 第334話 「Identity Crisis」

 
 
 
本当に遅くなっていた最近のハヤテですが、そろそろ通常ペースに戻せると思います。
…………たぶん
 
 
 
 
気を取り直してレビューです。
 
 
 
いよいよ待ちに待った同人誌即売会――で売られる自分の同人写真集やサイトを見て悲鳴を上げるマリアさん
無許可でやってたのかよ!!!
 
とか思ったが、よくよく考えてみればマリアさんがこんなもの許可するはずもないもんな。
 
 
というか、これって肖像権の侵害なんじゃ…………
 
 
 
ま、いいか。
ナギのやることだし
 
 
 
 
ここで基本的な事をおさらいしておきたいと思います。
なぜ、ナギが同人誌作成しようとしたのか。
 
 
簡潔に説明すると、第294話で真泉とかいう男と、ルカの同人誌がきっかけで口論になり売れる同人誌が作れるかどうかで対決する事になったから。
 
 
ただ、ここ最近は競争相手がルカになっているわけで、どうするのかと思っていたら真泉君、あっさり新刊落としました。
…………見なかった事にしようかな。
 
 
 
 
余計な“雑音”もなくなった所でルカとの勝負に全神経を集中させるナギ。
 
一日に膨大なアクセス数がある時点で宣伝は上手く行っている。
同人誌にはマリアさんの写真をセットにし、当のマリアさん自身が売り子をしてくれる。

 
ナギの計算では売れるはずだった。
 
 
ナギを動かすのは
 
「特別な何かになりたい!!」
 
という強い想い。
ステージ上のルカのように光り輝く特別な存在になりたいという想い。
それとは全く逆の、特別ではない存在である自分という物に対する恐怖もあるに違いない。
ベクトル的には逃避が先に来るので努力した結果、特別な存在になったルカとは全く違う。
この時点で嫌な予感しかしない。
 
 
 
 
ナギ「私の考えは正しいはずだ!!」
ヒナギクさん「私の考えは正しいはずよ」
 
両者共に発言は同じだが、ヒナギクさんに比べてナギの努力の方向が違うのがどうしても……
 
 
 
そしてイベントが始まってすぐ、マリアさんに釣られたとおぼしき客が次々にやって来て、純粋にナギの同人誌が売れているとは言えないものの、冊数を稼ぐナギ。
自身のマーケティング力がもたらした成果にほくそ笑むナギだが、
 
「写真集だけっていうのは……」
 
という声に胸の奥で生じ、徐々に強くなる痛みが隠せない。
ナギがやってるのはマリアさんで客を集めてついでに自分の同人誌を売る、羊頭狗肉より少しマシな程度の事。
 
(理由はどうあれ、売れれば私の勝ちだ)
 
と自分に言い聞かせている時点でナギはそれをよく理解しているはず。
そして、そこへ追い打ちをかける
 
 
「ルカの同人誌完売」
 
 
の知らせ。
やっと、ナギが本当の意味で挫折を味わう時が来たかな。
 
一度目は自分の作品レベルの未熟さを知った。
それでも1000冊売ろうとする時点で傲慢さとも呼べる無根拠な自信はまだ見え隠れしている。
 
 
売れるために努力した結果、特別な存在になる
 
のと
 
特別な存在になるため、売るための手段を選ばない
 
のは全く違う。
千桜さんに目的が違ってきていると指摘されたにもかかわらず、方針を曲げなかったナギ。
 
ここで同人誌が売れなくなって目を覚まさなければ、ここまでの話に意味がないレベルではないだろうか。
まず、ナギに必要なのはルカのように、他者の意見を素直に受け入れられるようになる姿勢。
主体性がないのと素直なのは違う。
 
 
副管理人がナギを好きになれなかった最大の要因は
 
「自分の漫画の良さが分からない奴はダメだ」
 
と言わんばかりの傲慢とも呼べる気性。
 
 
以前の挫折が自分の作品レベルの低さを認識するためのイベントだとするなら
今回の挫折は自分のやり方だけではダメだと理解し、アドバイスを素直に受け入れられる余地を作るためのイベントな気がする。
 
 
 
大きい意味を持って来そうな今後のハヤテに注目したい