ハヤテのごとく! 第294話 「ルネッサンス、情熱」

 
 
 
ロボットじみたディティールの存在を二体、用意(召喚か?)した法仙夜空
 
 
「じゃ、行こうか。あの土地の秘密を守ってやるために……二十八代目の写真を処分しに」
 
 
どうやら夜空の目的は写真の入手ではなく処分の模様。
“あの土地”というのは間違いなくハヤテ達が今、住んでいるアパートのある所だろう。
以前、化け猫がいたりもしたが、それも実は何かの伏線だった、というオチなのだろうか?
 
あの土地は紫子さん経由でクラウスさんの手に渡り、そこからハヤテ達に渡ったわけで、これまで何かと物語の中心部分に軌跡を残してきた紫子さんの事だから、何かしら土地に秘密があってもおかしくはないだろう。
 
 
 
一方、こちらは会場のナギ。
真泉研究所という(ネーミングセンスが厨二要素満載の作品を出す)サークルの男(脇のあらすじによると名前は真泉でいいらしい)と対峙したナギは売り言葉に買い言葉で同人誌の売れた数で勝負する事になる。
 
この手の勝負事では罰ゲームが恒例だが、真泉はそんなもの必要ないと言う。
えらく好意的だと思ったら
 
「売れなかった在庫の同人誌を抱えて帰るあの屈辱……とくと味わうがいい……!!」
 
と宣言。
なるほど。つまるところは、
 
常日頃から在庫を抱えて帰る屈辱を味わっているサークル
 
って事ですね、わかります。
まあ、その程度の相手じゃないと、とてもナギには勝ち目がないから仕方ない。
でもって、ノリで「いいだろう、やってやる!!」などど言っちゃったナギは我に返って「どうしよう……」と一言。
 
 
これがメインヒロイン(仮)でいいんだろうか? と思わなくもないが気にしない気にしない。
熱い魂があれば面白い作品が描けると言ったナギ。
千桜さんに問われて熱い魂とはそもそも何なのかを考えた結果、行き着いた答えは
 
 
まんがにどれだけ人生を懸けているのかという情熱
 
 
だった。

「たとえばこの本(イルカ主人公の同人誌)から、熱い魂が伝わってくるのは
この本の作者がきっとまんがに人生を懸けているからだ。情熱は伝わる。必死の思いは伝わる……!!
そうすればきっと……!! 読んだ人が『面白い』って言うまんがは描けるはず!!」

 
 
 
現実を知らない青臭い意見だと言ってしまえばそれまでだろう。
それだけで売れるなら苦労はない。

それでも、その第一歩は間違っていない。
 
もうすぐナギの意識覚醒後の第一作が見れるのだろうか?
300話記念でナギの漫画を載せる恒例企画で公開されれば流れとしては素晴らしい。
 
 
 
そして、密かに様子を窺っていたルカにもナギの言葉は届いていた。
自分の作品を褒めてくれたのは以前、即売会で出会った千桜さんに続けてナギが二人目。
 
当時、ナギと同じようにプロの仕事場を見て自信を喪失していた彼女は千桜さんの言葉で救われたのだという。
やはりナギとある程度、同じ立ち位置に(恐らくは意図的に)配置されているな。
 
今回でナギとルカが運命的な出会いをするかと思っていたのだが、ルカがナギを一方的に認識する形に留まったので、運命的な出会いの瞬間も気になる所。
 
 
 
即売会会場で運命が動き始めたその頃、コスプレ会場にいたハヤテは夜空の差し向けたロボットっぽい外見の敵の襲撃を受けていた。
無論、夜空が呼んだ事や、写真が狙われている事など欠片も知らないハヤテ。
 
だが、暴力沙汰はナギが新たな一歩を踏み出したという、大事な大事なこのイベントの中止を誘発しかねない。
ハヤテはとっさにパフォーマンスの一環として処理する事にする。
 
 
 
この世にはびこる悪をお掃除!!
平和を乱す敵をお料理!!
メイドの星からやって来た……メイド戦士!!

メイドスター見参!!

ご主人様も♥ イチコロよ♥



とっさにキャッチフレーズまで考えて完璧な演技をしたハヤテに会場は大盛り上がり。


ハヤテ「お嬢様の執事が相手だ!! 来い!!」
 
と決め台詞で相対したのに

姿・形は完全にメイドさんだった
 
 
と製作サイドからのセルフツッコミが入ったせいで台無しに。
こういうセルフツッコミのタイミングがいいので、ハヤテは好きだな。
 
 
 
 
今回はナギの次の目標と、夜空の目的が漠然と見えたという点でなかなか重要な回だったと思われる。
もっとも、ここで夜空の刺客を排除しても彼女の目的がハヤテの写真とアパートの建っている土地にある“秘密”にある以上、襲撃はまだ止まないだろう。
 
ナギが勝負に向けて新たな決意をした段階で、それとは全く関係ない第三の敵の襲撃はナギの創作活動にも悪い影響を与えかねない。
 
 
ただ、わざわざ刺客を用意して差し向けているのは、夜空が厄介ごとを避けるため自分の正体を明かしたくないからだと思われる。
場合によっては襲撃云々と無関係な第三者のフリをして再度、アパートを訪れる可能性もあるだろう。
 
 
 
 
300話まであと6回。
色々と動き出した事態の推移に期待しよう