ハヤテのごとく! 第344話 「剣野カユラ、かく語りき 3」

 
 
 
ナギの同人誌に対して的確なアドバイスができそうな人材であるカユラ。
 
しかし、彼女は出会ったばかりでそういうのはちょっと……と、至極まっとうな理由で拒否。
 
 
 
意気消沈するナギにカユラはコスプレすると元気が出る、と言うも効果は薄い。
そんなナギを見かねたか、カユラはナギに一つだけアドバイスをする。
 
・読みやすいように台詞を少なくして回想シーンを減らす
・誤解が生じる表現を避けて読み手の混乱を防ぐ
・老若男女誰でも最後まで読めるように注意し物語は簡潔にする

 
 
それは、かつてヒナギクさんがルカにした指摘と同様。
やっぱりヒナギクさんのアドバイスは的確だったんだな、と思いきや――――
 
 
 
なんて、アドバイスを聞くな
 
 
と否定。
ヒナギクさんの物はいわば同人誌と言う枠組みで万人向けの作品に対するもの。
 
一方、カユラの想定は
 
一兆部
 
というナギの目標に対するもの。
自分の面白いと思うものが通じないから常識的な方法論を求めるが、それはカユラに言わせれば違う。
 
カユラはナギに怒涛のように言葉を浴びせる。
 
 
 
非常識な夢が常識的な方法で叶うと思うな。
誰にも分かってもらえないという恐れを抱いて目標を下方修正するな。
人の顔色を窺って漫画を描くな。
どんな時も自分を信じてこれが面白いと言い切れ。
自分が信じられなくなったら努力しろ。
努力は迷いなく自分を信じるために行うもの。
有象無象の言う事には耳を貸すな。
雑音にいちいち心を揺らすな。
孤独を恐れて光にすり寄るな。
他人の物差しで自分の大きさを測り直すな。
味方がいなくなっても気にするな。
ざわめく声が五月蠅いならもっと大きい声で黙らせろ。
世界の中心はここだと教えてやれ。

 
 
そして全てをねじ伏せろ
 
 
 
 
こんなもん鋼の精神力でもってしないと無理だよ!!
現実にこれを貫き通せる人間が何人いる事か……。
少なくともナギに無理なのは間違いない。
 
 
そんな独りよがりな方法で、自分の漫画を誰も読まなくなったらどうするんだと言うナギにカユラは自分が読んでやると力強く告げる。
 
 
お前の描いたものはすべて、どんなものでも私が読む
一兆部の最初の一人になってやる。
 
だからお前は自分を信じて描き続けろ。
 
 
 
この言葉でナギはやる気を取り戻したわけだが、根本的な部分での問題が解消されていない。
 
 
作画に関しては「絵も下手だしなー」と以前の即売会で言われていたのでその部分は改善すべき。
ストーリーでカバーできないのであればなおさらだ。
描き続けていれば多少は向上するのかも知れないが、今作におけるナギの作画は基本的に微妙なので……。
 
 
それ以上に問題なのはストーリーに関して。
漫画と言うジャンルに限らず、ナギは多くの作品を目にし、千桜さんと議論したりしているんだから、良し悪しというものが理解できているはず。
にもかかわらず、意味不明な内容が多いのは単にまだ歳が歳だけに視野が狭い、という事の表現だとしても酷い。
 
 
 
唯一の強みはモチベーションの違い。
自分がダメだったと挫折を味わった上で受けたカユラからの言葉。
 
これが特別な意味を持って来る可能性は高いだろう。
ナギのやる気もそれ相応に高まっているだろうから作品の質が向上するのは意外に早いのかも知れない。
 
元々、ナギのスペックは高い方だしね。
 
 
 
スランプに近い状態からは、ひとまず解放されたから来週からまたしばらくは各キャラクターにスポットライト当たる形だろうか?
 
副管理人はそろそろ西沢さんに期待したいです。
次号以降に期待しよう