「毎日という宝箱を、今日もあける」 よつばと! 10巻

 
 


  
よつばと! 10 (電撃コミックス)

よつばと! 10 (電撃コミックス)

 
 
 
 
 
 
今回はあずまきよひこ先生のよつばと! について書きたいと思います。
 
とは言っても、単行本派の作品の感想と言うのは実を言うと、あまり書いた事がありません。
とりあえず、一話単位で区切って順番に書いていきたいと思います。
  
 
 
 
・第63話 よつばと“あそぶ”
 
よつばの生活というのは毎日、遊んでいるようなものだが、その遊ぶという日常の部分を取り上げる回。
この手の山場も何もない、純粋によつばの日常をただ描くだけの回は今までにもあったが、あえて“遊び”の部分をタイトルに持って来たのは興味深くもある。
 
で、よつばが何したかといったら積み木でママゴトしたり、家の中でかくれんぼしたり、とーちゃんと自転車で公園まで出かけたりしただけ。
よつばというキャラクターにとって、いつも通りの光景。
 
 
だが、途中、小さなコマで建築中の家と稲刈りの終わった田を使って時間経過が提示されていたのが少し気になった。昔は
 
(夏休みが終わりを告げる時、よつばと! という作品も終わるんだろうなぁ)
 
などと思っていたものだが、蓋を開けてみれば夏が過ぎ、秋になってもよつばの日常は続いている。
卒業、という明確な終わりがあったあずまんが大王と異なり、この作品の終着点がどこにあるのかはまだ見えない……
 
 
 
 
 
・第64話 よつばと“ホットケーキ”
 
絵本を読んでいたよつばがホットケーキを焼こうと悪戦苦闘する話。
 
 
子供のよつばにはホットケーキ作るのも難題に映る事だろう。
上手くひっくり返せなかったとしても仕方ないのだが、それをヘタクソだと爆笑し、よつばを泣かせる。
それがやんだという男である。
 
毎回、思うが、やんだは何でこんなに精神年齢低いんだろう。
面白いからいいけどさ。
あと、仕事中に気軽に小岩井家に寄れる気軽さはちょっと羨ましいかも。
 
今までの登場回に比べると、やんだが大人しかった気もするが、そういう時もあるか
 
 
 
 
 
・第65話 よつばと“ジャンボ”
 
ジャンボが来ました。完。
 
で説明できるといっても過言ではない回。

気球に乗った時に虎子が撮影した写真に対し、露骨に敵愾心を剥き出しにするジャンボが面白い。
ジャンボはよつばの説明から虎子を未だに男だと思っているようだが、その誤解がいつ解消されるのかは気になる所。
 
 
そして、本当にどうでもいい話ですが、副管理人は虎子派です
 
 
 
 
 
・第66話 よつばと“でんきや”
 
よつば、とーちゃん、ジャンボに学校帰りの風香を加えてヤマダ電機にデジカメを買いに行くという話だが、肝心のデジカメは次に持ち越し。
こういう短時間にスポットライトを当てても一話進められるのが、この作品の特徴の一つとも言えるだろう。
 
 
中間テストが終わり、テンションが上がる風香を
 
「今日はごきげんだね。ちょっとおかしいんじゃねーの
 
と切り捨てるとーちゃん酷いが、それに対しウザい表情でチッチッチとか指振ってる風香も風香である。
でもって
 
「写真は思い出の付箋、ですね」
 
とかカッコイイ事言ったはいいが、スルーされたからと二回言って台無しにするあたり、いかにも風香らしい所だと思う
 
 
 
 
 
・第67話 よつばと“かでん”
 
ヤマダ電機でのドタバタ劇。
 
よつばが差し出したヒゲ剃りで一部分だけヒゲ剃られるジャンボが災難過ぎるが、子供のしたことだけに怒るに怒れないのはよくある。
そして、とーちゃんに素で、そのままでかわいい、と言われて照れる風香が新鮮です。
風香の恋愛模様は、
 
ふーかがしつれんした!
 
のおかげでギャグのイメージしか浮かばないけどね。
 
 
カメラの前を通った客がテレビの大画面に映し出される電気屋さんにはよくある光景に興味津々のよつば。
副管理人も幼児の頃、何で自分がテレビに映ってるのか気になったのを思い出した。
 
とーちゃんはデジカメを選ぶため、風香と店内巡りをするよつば。
フィットネスマシーンの震動でブレて見えるよつばの描き込みが何気に凄い。
あと、マッサージチェアーの震動部分が背の低いよつばには肩でなく頭に当たる所など、細かい所で子供を表現してるな、と思った
 
 
 
 
 
・第68話 よつばと“うそ”
 
風香がダイエット用に使っていたボールを借りてきたよつばだが、遊んでいるうちに食器を割ってしまう。
怒られたくない一心から子供ながらに知恵を絞って嘘八百を並べ立てるよつば。
 
「ボールが外から飛んできた」
「窓が開いて手品師がボールを投げ込んだ」
「うそつき虫がよつばの中に入った。うそつき虫が入ると勝手に嘘をついてしまうから、悪いのはよつばでなく、うそつき虫」
 
そんな事を言い張るよつばをとーちゃんが「うそつき虫を退治してもらう」と言って連れてきたのは仁王像の前。
凄まじい形相に恐怖し、よつばが泣きまくった所で助けてやるとーちゃん。
とーちゃんは言う。
 
 
お茶碗割ったのは別にいい。窓ガラス割ったのもコーヒーこぼしたのも別にいい。失敗するのはよつばの仕事だ。
 
でも、嘘はつくな
 
 
 
子育てって言うのはこういう事なんだな、と思う回だった。
とーちゃんはよつばに優しいけど、怒る時はきっちり怒る。
甘くすると本人のためにならない。
だからダメな事はしっかり注意する。
 
今の世の中、自分の子供を捨てたり殺したり育児放棄したりする腐った親が何かと取り沙汰される。
そんな中で、自分の子供ではないよつばを仕事しながらしっかり教育してるとーちゃんは偉い。
いつか、自分が結婚して子供が生まれるような事があったら、こんな父親になりたいものだ
 
 
 
 
 
・第69話 よつばと“さいかい”
 
えらく意味深なタイトルだと思ったが、蓋を開けてみれば、みうら宅にてダンボーとの再会だった。
何気に今巻のカバー下はダンボーになってるんだな。
気付かなかった方は確認してみてはどうだろうか?
 
 
ダンボーが死んでしまって動かない(いや、当たり前だけどさ)と聞かされて慌てるよつば。
貴重であろう10円玉を放り込むが、中の人がいな――じゃなくって死んでしまったダンボーが動くわけがない。
 
 
 
「今からよみがえりの儀式をします!!」
 
落ち込むよつばを励まそうとしたのか、唐突にそんな事を言い出す恵那。

・小学生レベルでないと成功しない
ダンボーが生き返るように祈ってくれればそれがパワーになる
・部屋を覗いたら失敗する
 
等々の設定を作って上手いことよつばを隔離する恵那とみうら。
そこへ、何の前触れもなく、さらっと登場する新キャラもとい、みうら母。
 
 
出されたジュースとお菓子も普段なら遠慮なく食べるのに、
 
「いきかえりのぎしきしてるのに、こんなのたべてるときとちがう」
 
と断って、一生懸命になるよつば。
よつばの中ではダンボーに対する好感度がかなり高いんだな。
 
 
そして、恵那が
 
エレベーターのボタン全部押したら爆発する
 
とか信じてたのに吹いた
 
 
 
 
今回はこんな所。
話によっては長さにかなりの差異があるが、それはそれでいいんじゃないかと思う。
今後も気が向いたら単行本派の作品は感想記事を書きます