「世の中は不況なのであります」
そんな一文と共に始まった今週のハヤテ。
時間軸の管理が厳密なハヤテのごとく! という作品内において
もうすぐ27巻が出ようが300話を越えようが時間経過はクリスマスからわずか半年。
作中ではもうすぐ6月になる程度(のはず)。
そんなある日、徐々に上がりつつある気温に夏用のメイド服の準備などを思案するサキさんが立ち寄ったのはセール中のお店。
サキさんにはよく似合いそうな可愛いワンピース(1000円)を見つけ、嬉しそうに購入を決意するサキさんだったが財布の中身はわずか250円。
(まだ、そんなに暑くないですしね……)
と自分を納得させるサキさん。
飲み会1回やったくらいで生活厳しいとか不憫すぎる。
サキさんが何故、こんなにお金がないのかと言うと、それは勿論、ワタルの経営するレンタルビデオショップが赤字だから。
その経営者は帳簿を眺めて渋い表情。
「このままじゃマジで……店をたたむ事も考えねーと……。こりゃサキの給料も払えねーぞ」
そう呟いたのを他でもないサキさんに訊かれて慌てるワタル。
サキさんに心配されて思わず
「いざとなったらお前の給料くらい……!! この店売っ払ってでも払ってやるよ!!」
と言い切るワタル。
大事な大事な店を売ってでもサキさんが大事、と。
なるほどなるほど。
翌日。
買い物帰りのハヤテと咲夜はビシッとカッコよくスーツを着込んだサキさんと遭遇する。
咲夜「もしかしてワタルんとこやめて就職でもしはるんやろか?」
ハヤテ「はははー、そうかもしれませんねー」
などと軽く流しかけた二人だが不況の世の中だけにあり得ない話ではないと気付いてサキさんに駆け寄る。
咲夜「どないしたんや、そのかっこ……!!」
ハヤテ「なぜメイド服を着ていないんですか?」
そっちかよ!! 違うだろ!!
サキさんがビデオ屋が限界なので新しい仕事を探していると咲夜から聞いたワタルだが、
「べ、別にいーんじゃねーの?」
と強がってみせるワタル少年。
それに追い討ちをかけるように
「ビンボー社長がメイドさんを食わすやなんて……どだい無理な話やもんな〜」
「金の切れ目が縁の切れ目……。これもええ機会やな〜」
などと呟く咲夜。
そのメイドさんはネカフェで自分に向いている職業を探そうとして、うっかりニュースサイト閲覧したばっかりに二時間経過。
公園で出会ったハヤテに
「就職ってどうやったらできるんですか?」
とぶっちゃけてみるが
「東大とか出るといいんじゃないですか?」
「履歴書を書いて就職試験を受ければ……」
などと望む返答は得られず。
まあ、ハヤテの執事になる以前の経歴は全部、アルバイトであって正社員じゃないから仕方ない。
そんなハヤテだけれど
「サキさんに一番、似合っている服はメイド服かなって思いますよ」
と至極真っ当なコメントを。
やっぱりこういう所は主人公だな。
そこへ
「就職活動なんか、してんじゃねーぞ、サキー!!」
と飛び出すワタル君。
ワタルは何と店を担保に咲夜を経由するルートで一億を借金し、それで新しい商売を始めると宣言。
お前の給料をとどこおらせたりはしねぇ!!
だから……!! 店をやめたりせずにオレについてこい!! サキ!!
オレについて来いとかプロポーズみたいだな、と思う副管理人であった。
だが、ワタルの焦りを余所にサキさんは店を辞めるつもりはなかった。
「私の給料が払えないなら、お金を稼いで店に入れようと思いまして。そうすれば若も私にのびのび給料を払えるっていうか……」
ああ、やっぱりサキさん天然だわ。
まともに生活できないほどの窮状ならばさっさと次の職場を探せばいいだけの事。
にもかかわらず、ワタルの店の事を考えて動くサキさん。
メイドの鑑を通り越して凄い。
それだけワタルの事が大事なんだろう。
「なんの意味があるんだそれはーーーー!!」
と叫びたかったワタルであったが、それを聞いて……本当に思った。
絶対に成り上がろうと……本気で。
ここに新たな動きが生まれた。
ワタルがレンタルビデオ屋の経営を辞めて本気で新しい商売に着手するという動きである。
橘家の男は商才がない。
だが、その妻は違う。
それがワタルの両親。
妻ではないが、それ同然のポジションにいるサキさんが良妻賢母(妻でもないし母でもないが)としてワタルをしっかりサポートすれば上手く行く気はする。
商売が上手くいって最後にはゴールイン。
これがこの二人の理想像なんじゃないかと思う。
できれば次週から数話使ってワタルの新しい商売が形になるまでを描いて欲しい所。
この時期にこの展開が来たという事は、ナギの同人活動に何らかの形で関係して来るかもしれない。
そのあたりにも注目である