怖がり幽霊少女×変態紳士 『絶対☆霊域』 第一巻発売

  
  


  
絶対☆霊域(1) (ガンガンコミックスJOKER)

絶対☆霊域(1) (ガンガンコミックスJOKER)

    
 
 
 
 
吉辺あくろ先生の絶対☆霊域の第一巻が発売されました。
ガンガンJOKERで連載されており、2011年2月号の時点では第10話を迎えた。
副管理人は連載開始時から注目していた作品であり、第一巻発売を楽しみに待っていました。
 
 
 
この作品、今回のタイトルにもあるように、怖がりな幽霊少女と変態紳士の繰り広げるアホな毎日を描いたギャグ4コマです。
 
 
 
概要
 
バス・トイレ・エアコン付きで家賃一万円のアパートがあった。
そこにはかつての住人かつ事故死した事で自縛霊となった少女、上原ひな子(ヒナちゃん)が住んで――というか憑り付いていた。
ある日、後藤聖一という青年が引っ越して来た。
 
ひな子(ブルーの長髪に着物姿)は
 
「この部屋は私のもの。誰にも渡さない……!!」
 
と夜中にホラーな空気満載で化けて出るのだが、
 
「少女!!」
 
と後藤に迫られる。
後藤は霊感があり、幽霊の少女が出ると知ってわざわざ引っ越してきたのだった。
かくして、幽霊の女の子(自縛霊なので逃げるに逃げられない)と変態紳士の共同生活が幕を開けたのだった……。

 
 
 
 
まあ、こんな感じの作品です。
 
この作品は若干、ツンデレ気味のヒナちゃんの可愛い部分についつい見入ってしまう作品なのだが、今やツンデレ気質や幽霊のくせに怖がりなどの設定は、
使い古され、あまり新鮮味がない
と言ってしまってもいいだろう。
それが何故、ここまで面白いのか。
それは後藤の存在。
 
第一話の後藤の言動をクローズアップしてみよう。
 
 
 
・幽霊って足があるんだね、などと言いながら、いきなりひな子の着物の裾をめくって殴られる
・幽霊の少女が出ると知り、普通の人間なら他を探すところを「よし、住もう」と即決する
・私の姿が見えなかったらどうするつもりだったのよ、と訊かれ「その時は音声のみで楽しむ」と発言
・「こういう部屋に住むのが夢だったんだ。少女と合法で同棲!! 完璧だ!!」と発言し、ひな子ドン引き
・ここは私の部屋なんだから出て行かないと夜な夜な化けて出てやる、と言われて「大歓迎です」
・枕元に立ったひな子のパンツを見ようとうなされたフリしてバレる
・後藤が着替え中にひな子と遭遇し「最低! 最低! この変態!!」と蔑まれるも「本気だったら全部脱いでる」とわけのわからない反論をする

 
 
 
一話だけでも後藤が変態紳士的なキャラだというのがよくわかる。
他の話数の言動を見ても
 
・ひな子に殴られて「ヒナちゃんが今日、二回も触ってくれた……」と悦ぶ
・ひな子がスカートの下に短パンを履いていたのに対し「パンツを隠すために履くのなら……ブルマにしようよ!!」と抗議
・「スロー再生したら脱いでるシーンも見えるかな」と一瞬で服装をチェンジできるひな子を見て発言
・「女子のエプロン姿を見るのに忙しくて……」と学生時代の調理実習について発言

 
等、アホなシーンに事欠かない。
ガンガン系列では同ベクトルの作品に「マンガ家さんとアシスタントさんと」を挙げる事ができるだろうか。
 
 
無論、後藤の面白さは付加価値の一つであり、メインはやっぱりヒナちゃんの魅力的な部分だろう。
矛盾しているかも知れないが、使い古されているというのはそれだけ破壊力の高さにも定評があるという事。
 
以下、ヒナちゃんの言動
 
・初対面の後藤に「こんなかわいい子に一目惚れしない方がおかしい」と言われ真っ赤になりながら照れ隠し気味に飛び蹴り
・怪談話に「な、なによ。べ、別に怖くないじゃない」と小刻みに震えながら強がる
・続けられたら「も、もういいわよ、わかったから……」と涙目に
・ノリで使えもしないのに「幽霊バリヤー」とか言っちゃって後で恥ずかしがる
・楽しそうなのを指摘されて「そ、そんなわけないでしょ!? 大迷惑よ!!」と発言
・ホラー映画が怖くて見れない
・自信満々に描いた絵が凄まじく下手
・凄まじく方向音痴
食玩に目がなかったりする
・迷子になったのを恥ずかしがって後藤に「何迷子になってるのよ!」と言いがかり
・泣き出した時に後藤から差し出されたチョコを「子供扱いするな!」と言いながらもしっかり貰う
・普段から後藤に文句を言いながらも体調不良になったら心配して看病してくれる
・3サイズは教えたくないけど誕生日は知っておいて欲しかったりする

 
 
はい、ツンデレのテンプレっぽい言動が見え隠れしてますね。
でも可愛い。

 
他にも後藤に好意を抱いていつの間にか部屋の合鍵まで勝手に作ってしまうストーカー気質な女性、前田さんや、お隣に住んで(?)いる割烹着姿の無表情な幽霊、下一桁ひよ子(ヒヨちゃん)などが登場し、繰り広げる馬鹿馬鹿しくも賑やかな日々は読んでいて非常に楽しい。
 
 
 
 
第一巻が発売されたこの機会に読んでみてはどうだろうか。
ドMな後藤弟が最近、登場したガンガンJOKERの連載分を読むのもオススメ。
 
この記事を読んだ人の中で、『絶対☆霊域』の読者になる人が一人でも現れれば幸いです