ハヤテのごとく! 第287話 「MASK」


「朝っぱらから……!! 何をしているのだお前たちはーーー!!!」


静かな朝。アパートに響き渡るナギの絶叫。
それに対し、来客の少女は自信満々に宣言。


「見ての通り、部屋を借りに来たのよ!!!」



……見ての通り?
と、読者の大半が思って当然な言い訳には欠片も納得できないナギ。



まあ、ナギが何より懸念しているのは、見知らぬ女がハヤテに抱きついたという点なのだろうが。
実際、ナギは涙目になりながらハヤテにしがみついて来客を警戒。
ナギの頭の中ではきっと、見知らぬ彼女が泥棒猫認定でもされたに違いない。




しかし、実に子供っぽい性格をしているナギの事。
新発売のガンプラ――じゃなくてガ○プラをお詫びとして渡された途端に警戒を緩め、部屋を見せるくらいなら構わない、と妥協する。



どんな部屋を借りたいのかと訊かれた少女は「いわくつき物件」でさえなければいい、と一言。
霊的な存在を信じるか信じないかは人それぞれだが、よくあるのは前の入居者が自殺したとか、かつて墓地だった所に建てられた、とかそんなケースだろう。
現代の科学では立証できそうにない後者はともかく、前者は住んでいても、あまり気分の良いものではないだろう。





とはいえ、長期間、放置されて化け猫しか棲んでいなかったこのアパートに心霊現象など起きるわけがなかったのだが、ハヤテがドアを開けた先にいたのは首を釣ろうとする神父さん(の霊)。
ああ、この人がいたか!


どうやらアパートに引っ越してきた模様。
確かにそんな事をほのめかしていたが、このタイミングで登場したか。




しかし、霊が首を釣っても死ねないんじゃなかろうか?
自殺しようとしていた理由が“好きなアニメが終わったから”だと言うんだから、どうしようもない。


しかも空き部屋を私物化して押入れにフィギュアを無許可で収納しているのだから、これまたタチが悪い。
少女がもし部屋を借りる際には全部処分すると笑顔で対応するハヤテに神父さんは猛抗議。




自分のコレクションを廃棄されるわけには行かない神父さんは少女の周りに心霊現象を引き起こし、入居を諦めさせようと画策するが、少女の鋭い視線を感じて思わず沈黙。
ハヤテや伊澄さんくらいでないと見えないのだが、この少女も霊が見えるのか? と警戒する神父だが勘違いの模様。




そして、唐突に少女の口からハヤテが自分の運命の人だという言葉が発せられる。
それに耳ざとく反応するナギ。



少女は語る。

「昨日の夜……偶然、出会った時に思ったの。ああ、この人が……大天使ミカエル様が遣わしてくれた私の現世におけるスピリチュアルパートナーなんだなぁ〜って」



電波じゃねぇか!!






たまらず追い出される少女。
どうやら重要キャラではなかった模様。







などと思っていたら、少女は何者かと電話で連絡を取っていた。


「確かにあの執事はやっかいそうだ。だが心配するな。ここで張っておけば必ず接触してくる。そこを押さえる。まぁ任せておけ。この、法仙夜空に」




というわけで、この少女は法仙夜空(ほうせんよぞら)という名だと判明。
無論、通り名もしくは偽名の可能性もあるが。





彼女が何を狙っているかはまだ分からない。
ただ、ルカの本格的な登場の前に何かしらの山場を挟む模様。





今、ふと思ったのはアテネの関係者。
外見が少しばかり似ているし、リアルにアテネの姉か妹または親戚という可能性もある。
現時点では提示されている情報が少ないからどう転んでもおかしくない。


こういう推測している時がある意味、一番楽しい。


流れがシリアスになりそうだから来週も楽しみだ