その笑顔が歌声が同人誌が、勇気と希望をもたらした。彼女はお嬢様の知る限り
――――最も神さまに近い人。
そんな煽り文で始まった今週のハヤテ。
ついに対峙するナギとルカ。
予期せぬタイミングでの顔合わせに驚くナギには
「私がほんの一兆万人ほどのファンのいるアイドルだからって驚くほどじゃないわ」
と冗談交じりに返し、緊張で堅くなるナギには
「一兆万人のファンがいるアイドルと握手をすると、寿命が100年延びると言われてるけど……する? 握手」
と手を握って落ち着かせるルカ。
このあたりは現場で揉まれた経験値と生来の性格から来るものだろう。
少なくとも人見知りの傾向が強いナギには無理な芸当。
ルカは言う。
千桜さんからナギの作品を見せてもらったと。
「とってもユニークで素敵なまんがだった」
まあ、物は言いようだよね……と思っていたら――
ああ、この子は私のライバルだって思った
ねぇよ!!!
副管理人からしたら作画、シナリオ両面でナギとルカには決定的な隔たりがあるようにしか見えない。
まあ、同人活動に携わる者には大なり小なり非凡な感性が求められるし、常人には理解できないシンパシーでも感じたのかも知れない。
まあ、そんなこんなでルカの絶妙なボケで空気も弛緩し、初対面でもすっかり打ち解ける二人。
ルカがクワガタ拳と称して取ったポーズが黒執事に出てきた暁学会の
「不死鳥!!」
のポーズしてるように見えるんだが真相は不明。
そんな二人を見るハヤテは複雑な心境だった。
ルカの真っ直ぐな性格に対して自分が性別を結果的に偽ってしまっている。
着替えの話になってついうっかり
「この服可愛くて超サイコーじゃないですか!!」
と力説してナギに
(遊びすぎてついに壊しちゃった?)
と内心で不安に思われ、ハヤテという名前も
「女の子なのにハヤテなんてすごく凛々しい名前ね!!」
と目を輝かせられて説明の機会をことごとく逃がすハヤテ。あまつさえ
「私、あなたが男の子だったらあなたの事好きになっちゃってたと思う」
という火種の香り満載の台詞まで飛び出し、さらに進退窮まる我らが主人公。
お礼を告げて軽く抱きつかれるハヤテはそこだけ見れば役得。
だが、それをジト目で見つめるヒナギクさん、アテネ、マリアさん。
そして、それを見つめて
「よくわからんが、地獄だな」
と他人事のように(実際、そうだが)呟く神父さん。
ああ、あんたアパートにいたね。
ヒナギクさん、アテネに加えてマリアさんがいるという事は、ハヤテ争奪戦にマリアさんが参戦するという可能性を再提示されたような気がする。
ヒナギクさんあたりからしたら自分の意中の男子が女装して見知らぬ美少女に抱きつかれている、となればいい気はしないだろう。
今回でルカの登場からナギと対面までは終わった。
ここからルカ退場まで何話使うかによるが、それでも三週間先のイベントまではかなり日がある。
このままハヤテが女装したまま生活するのかも問題だが、対立構造はまだ成立していない。
今後も要注目である