“毒気に彩られた薄闇の幻想物語、ここに終幕!” 煉獄姫 第六幕 感想

 
 
副管理人の空間歪曲です。
 
今回は発売から少し経過していますが電撃文庫煉獄姫最終巻感想です。
 
 
 
特殊な体質故に幽閉されて育った王女アルトと従者であるフォグ。
 
この2人を中心に様々な人物の思惑が交錯して繰り広げられた煉獄姫シリーズ。
 
 
気付けばもう6巻、と感じる一方でもう終わってしまうのか、という想いも抱かずにはいられない。
 
 
それだけフォグとアルトの二人は見ていて楽しかった。
 
 
 
中盤から本格的に暗躍していたユヴィオールも最期はあっけなかった。
 
その最期は哀れとも言うべきものだったが悪役なんてのは、そのくらいでいいのかも知れない。
 
 
個人的には最後の最後でニーナに報復されて
「ああ、君か……」
みたいに死の間際に笑顔浮かべて死ぬパターンかとも思っていたんですが、
きっちり決着。
 
 
逆にそのニーナはあまりに可哀想だとしか言えない。
 
ヴィオールに利用されるだけ利用され、その途中で片眼を潰され、
いずれ届くはずだった狙撃手としての境地への道を断たれ、
結局はユヴィオールへの初恋に見切りが付けられないままキリエに殺された。
 
 
彼女は生き残って人生やり直しても許されそうなものだが……。
 
 
 
とにもかくにも主要キャラがバタバタ死んだ話だった。
 
一巻の最初の方を読んでいた頃は途中でトリエラさんがあんな事になるとも思ってなかったし。
 
 
アイリスも死にそうだったがキャリエルの方の人格だけ上手く処理して万々歳。
 
 
 
そしてレイド=オータムに至っては、最後の最後まで楽しそうに死んでいったなぁ、と思う。
 
単なるユヴィオールの部下ではなかったが故に味があったんだろうか。
人を殺しまくっていて悪人でしかないはずなんだが不思議と憎めないキャラだった。
 
 
基本的には薄暗さと毒気に包まれた世界観でありながら、終始、明るい光景が描かれていた。
 
そんな印象を持った作品だった。
 
この物語を生み出してくれた作者の藤原祐先生とイラストのkaya8氏。
どうもお疲れ様でした。
 
 
フォグとアルトの未来に幸あれと願ってこの記事を終わらせていただきます
 
 

 
 
煉獄姫 六幕 (電撃文庫)

煉獄姫 六幕 (電撃文庫)