ハヤテのごとく! 第318話 「Sign」

 
 
 
文の飼い犬、アルマゲドンが持ち去ったらいつの間にか行方不明になった一億円。
 
 
駆けつけた文のショックは大きかった。
冷たい言い方をするなら、ハヤテにとってこの一億は他人の物であり、失っても関係の無いお金。
 
 
だが、文は違う。
このアホの子はシャルナちゃんに吹き込まれ
 
アルマゲドンが金を盗んだのなら飼い主である自分が盗んだも同然で捕まれば死刑
 
だと信じ込んでいるからだ。
そして、ショックを受けた文が次に取った行動は――
 
 
自分の指紋を綺麗に拭き残してこの場を去る事だった
 
 
文さんよ。 
あんた、思ってたよりクズだな、おい!!!!

 
 
 
そんな彼女には木槌での一撃と言う友人からの天罰が炸裂したのでまあ、良しとするが、肝心の中身については何ら解決していない。
 
動物の言葉を理解し人語も話せるタマが事情を聞くがアルマゲドン
 
 
「人間に飼われたいやしいクズに、話す事などない」
「生き恥じをさらすゴミが。オレたちは自由。自由こそが我らの魂を解放する」

 
 
と、それまでのアホみたいな外見に反した獰猛な表情でタマに吐き捨て、タマが激怒。
 
すいませーん。誰かドリトル先生呼んできて下さい。
 
 
 
アルマゲドンは途中で二人組男に中身を奪われた、と供述。
すぐさま探しに行こうとしたワタル君の前に出現したのは伊澄さん。
 
 
迷子のくせにこういう時はピンポイントに出現するね。
そして、伊澄さんに連れられ一億円を奪った男達の所へ向かうワタル君を見つめるサキさんの心中は複雑だった。
 
 
(若が伊澄さんを好きな理由もわかる……頼りになりますもんね)
(私と違って同い年、だし……)
 
 
(私の出る幕は――どこにも――)

 
 
 
サキさん、わりと年の差を気にしてたんだな。
七歳下だとまあ、若いうちはちょっと気になる年齢差かもね。
 
 
 
そして肝心の一億の方は、ワタル君が踏み込む直前に
 
 
「私の一億円を返せーーーーー!!!」
 
 
と叫びながら二人組を叩きのめした雪路ちゃんの手により無事にワタル君の元へ返還されました。
 
ただ、ワタル君と鉢合わせしなきゃ持ち逃げしてたのは間違いないけど。
 
 
 
そして銀行へ一億を預け終わった所で伊澄さんが発したのは
 
ワタル君は……本当にサキさんの事が好きなのね
という台詞だった。
 
 
「その一億円は、一番好きな人を幸せにするための力……。大事に使うのよ」
 
 
 
そう告げられたワタル君は決意した。
白皇について行きながらも大きな商売を始めるのは不可能。
だからこそ、白皇を辞めようと。

 
 
 
「でも、それでは伊澄さんとは違う学校に……」
 
 
と懸念するサキさん。
 
 
 
 
 
 
「お前が側にいるなら、それでいい」
「だからついて来いよ……!! ずっと……!!」
 
 
よく言った!!!

 
 
まさか、ルカ編の合間に息抜き代わりに進むとばかり思っていたワタル君の起業編でこれだけ大きな動きがあるとは思わなかった。
 
 
大きな動きとは、もちろんワタル君がサキさんを選んだという事。
 
当初、伊澄さんが好きだという設定ではあったが、ラスベガス等で徐々にサキさんとの絆が描写されて行き、最終的にワタル君が誰を選ぶのかというのは注目すべき大きなポイントの一つだった。
 
 
特に最近、ワタル君がサキさんを選ぶのは間違いないだろう、というような流れだっただけに、いつ、どのタイミングで答えが出るのかは非常に気になっていた。
 
 
それが今週、ついにやって来た訳だ。
 
 
これで一つの形が完成した。
 
 
いやー、本当に良かった良かった。
これからのワタル君は艱難辛苦と戦う姿が繰り広げられるわけだな。
  
まあ、プロポーズ同然の台詞を吐いたが好きだ、とはっきり伝えてはいないので、将来的には主人とメイドではなく恋人同士として歩む二人も見てみたい。
 
 
今後のワタル君とサキさんには今まで以上に注目して行きたい