“桜場コハルの別世界、降臨!” そんな未来はウソである 第1巻 感想

 
 
 

 

そんな未来はウソである(1) (KCデラックス 週刊少年マガジン)

そんな未来はウソである(1) (KCデラックス 週刊少年マガジン)

  

 
 
 
 
 
桜場コハル先生の「そんな未来はウソである」の一巻が発売されました。
 
桜場コハル先生と言えば、累計330万部を突破し、アニメ化もされたみなみけの作者として有名です。
みなみけ以外に今日の5の2もあるのだけれど、副管理人は読んだ事ないのであしからず。
 
 
 
 
さて、この作品、メインキャラは
 
「目を合わせた相手の未来が見える」大橋ミツキと
 
「他人がウソをつくとすぐわかってしまう」佐藤アカネの二人。
 
 
 
未来予知や嘘感知など、使いようによっては非常に幅広く活用できそうな能力を持ったメインキャラクター二人。
だが、繰り広げられるのはみなみけ同様のちょっとだけ変化のある日常。
 
 
 
 
みなみけと違うのは恋愛劇を多少なりとも真剣に扱って軸としている点だろうか。
 
みなみけは藤岡君のラブレターを千秋がおかしな方向に解釈したため歯車が狂い始めた。
以降、カナのバカがその勘違いに拍車をかけ、恋愛要素が凄まじく薄くなった印象を受ける。 
 
 
一方、「そんな未来はウソである」における恋愛模様
ある日、アカネに差し出された鏡で自分の目を見たために
 
クラスメートの高山君と結婚している未来
 
を見たミツキ。
 
 
自分が鏡を見せたばかりに未来を狂わせた、と罪悪感を多少なりとも感じていたアカネだったが
 
高山君もミツキには好意を抱いているらしい
 
と知り、考えを改める。
 
 
 
人間はどうしようもなくウソツキで面倒くさい。
 
できれば誰とも関わらず卒業したい

 
 
そんな信条のアカネにとっては、ミツキに懐かれ困惑していた所へ降ってわいた話。
 
ミツキが高山君と恋人同士になればきっと、私への興味も薄れるはず。
そうすれば私は静かな生活に戻れる
 
 
 
そう結論付けたアカネは二人をくっつけようと画策するが
 
昼食をミツキと高山君の二人だけで食べさせようとして自分が間に挟まれたり、
台本作って二人に強要したり、
ミツキとの練習として別の女(マドカ)と付き合わせてみたり

 
と、どうにもおかしい方向ばかり。
 
このあたりはみなみけと似た空気を感じる。
 
カナは独創的な思考回路で自分の作戦は成功したと勘違いしている事が多いが、
アカネのそれもまた、同様に自分の知恵の活用方が絶妙だと信じて疑わないタイプ。
 
 
ただ、みなみけよりも恋愛をちゃんと扱っているので、その空回りがみなみけとは似て非なる面白さを生み出している。
これはみなみけが南家という家庭を舞台にしているのに対し、
学校を舞台としているため恋愛の要素である男女がほぼ確実に毎回、登場しているからだろう。
 
 
作者がどのくらいの構想で全体を見ているのかは分からない。
しかし、みなみけ同様、面白い作品なので長い時間をかけて空回りを描いていただきたいと思う