ハヤテのごとく! 第310話 「強い気持ち強い愛。今のその気持ちホントかなぁ?」

 
 
 
雪よりも白い……白い紙がある
 
 
 
真っ白な原稿を前にするナギと共に始まった今週のハヤテ。
とりあえず、目標を羅列してみるナギ。
 
 
・誰も見た事がないわかりやすく斬新なストーリー
 
・スリルと感動にあふれだれもがドキドキワクワクできる漫画
 
・100年経っても色あせないキャラクター像

 
 
ははは、こやつめ。
 
言いたい事は色々とある。
 
好みや感性は人それぞれだから“誰もがドキドキワクワクできる”なんて不可能
 
だとか、
 
その時代のニーズというのは変遷する以上、100年経過して色あせないなどあり得ない
 
とか、
 
まず何より作画をどうにかした方がいい
 
とか色々とあるが、これもナギの未熟さゆえだから気にしない事にしよう。
 

  
まあ、漫画以下のレベルであれ創作という行為を長年行ってきただけあって、ナギも目標として書いてみたものの、
 
机上の空論
 
だという事は理解しているらしい。
 
逆にそこが理解できてなかったらもう致命的だとも思うが。
 
 
 
胸が熱くなる何かがあれば描ける気がする。
そう結論付けたナギは他の住人達からヒントを得るべく、まずはヒナギクさんの所へ。
 
だが、今までの人生で一番、胸が熱くなった出来事を訊かれたヒナギクさんが挙げたのは
 
「新しいお父さんとお母さんが出来た事かな?」
「前の親に捨てられて住むところも食べるものもなくなった時、3日ぶりくらいにお姉ちゃんが、やきいも買ってきてくれて」
 
などと他者からすれば重いエピソードばかりでナギの参考にならず。
一方、アテネ
 
読者にわかりやすいキャッチーで瞬発力のあるネタ
 
として提示したのは夜中に
 
夢にうなされているのか、甘い吐息をもらしながらもだえている同居人の姿(原文ママ
 
だった。
お色気要素というヒントを得たナギだが、それでは自分の胸にグッとこないと却下。
 
千桜さん「では……お前の胸にグッとくる要素とはなんだ……?」
ナギ「……男の娘……かな」
 
 
 
ちょっと待てやお前!
 
と思わずツッコミ入れてしまった副管理人だが、着眼点は悪くないと思う。
副管理人はあまり好きではないジャンルだが、男の娘――もっと端的に言えば女装少年というのは最近の流行りの一つではあるだろうし、イベントで50冊程度ならば売れそうではある。
 
従来のナギの作画では男の娘の魅力が出せるか怪しいという問題点はあるのだが……。
 
 
 
で、本作における男の娘要員はおかしな事に我らが主人公ハヤテ。
自分の作品のために喫茶どんぐりを電撃的に訪問するナギ。
 
 
西沢さん「あらナギちゃん」
 
 
西沢さんお久しぶりです!!!
 
 
 
ナギはハヤテを発見するなり西沢さんの私服を着てみて欲しいと要求。
 
 
千桜さん
(知り合いの女の普段着だと!?NTR要素? こいつ13歳でどんだけレベル高いんだ!!?)
 
あんたがある意味、高レベルすぎだよ!!
 
 
 
ハヤテは当然のように拒絶しようとするが、当の西沢さんが肯定的な態度ゆえに押し切られて女装する事に。
 
好きな人が女装ではあっても自分の服着てくれるのが嬉しいんだろうか?
乙女心はよく分からん。
 
 
 
そして意外な事に初めて顔を合わせる西沢さんと千桜さん。
 
ナギはあろうことか千桜さんを
 
「よく訓練された腐女子
 
だと紹介していたらしい。
んなアホな……。
 
千桜さんって別にBL好きだとかそういう傾向が強いわけではなかったはずだ。
ん? ひょっとして副管理人の腐女子の解釈が間違ってるのか?
 
そもそも西沢さん腐女子ってどんなのか把握してなさそうだよなぁ……。
 
 
 
そして、西沢さんの私服を着たハヤテを見たナギは
 
「何かが……!! 何かが私の脳天直撃セガパワー!!!」
 
と今となっては懐かしい気がするフレーズを叫びながら作業にとりかかるのだった。
 
いや、まあ、何でもいいんだけど、ハヤテは今バイト中なんじゃ……。
 
 
 
 
そして、千桜さんは言う。
初対面が女装だったら、ハヤテを女の子だと思い込むと。
 
その台詞と共に顔だけ出したのはルカ。
 
 
 
やはり火種の香りがしやがるぜ……
 
 
とりあえず、ナギの作品が全く描けないと言う危機は脱した。残りは
 
イベント当日までに間に合うかどうか
ナギの画風で男の娘という釣り針を活かせるのかどうか
 
このあたりがネックになってくるだろう。
 
 
ただ、やはりこの漫画における三週間は長い。
当日までにルカが関わってくるイベントも起こりそうだし、今後も楽しくなりそうだ